意外と知らない輸入建材のすごいところ

窓の交換方法には2種類ある

現在瀬戸市で進行中の北欧輸入住宅にて、窓を交換しています。なぜ交換することになったかと言うと、窓ガラスが割れているからです。

窓の交換方法には大きく2種類あって、

1つは
普段皆さんが開け閉めする可動部分(障子) を取り替える方法。
この場合は障子が嵌っている枠は建物にくっついたまま、触ることはありません。

もう一つは、
窓ごと交換する方法です。
この場合は、枠ごと建物から切り離す必要がありますので、建物の内外装に影響が及びます。

さて、どちらが大変だと思いますか?

答えはもちろん後者の窓ごと交換する方法です。

窓メーカーが特定でき、現在でも交換用障子を製造している場合は、障子のみを取り寄せる方が簡単です。
しかしそうでない場合は、窓ごと交換する必要があります。
今回の様にガラスが割れたくらいであれば、障子だけでOKの場合も多いのですが、
メーカーが特定できず、日本に代理店も無いので、今回は後者のパターンでした。

海外へ窓を注文する場合、通常船便で輸入する場合3~4ヶ月がかかりますが、今回は工程的に待つ時間がないので空輸で手配をしました。


もともと付いていた窓は1994年頃の北欧の窓。

1番心配したのは、同じサイズのものがあるかどうか。
同じサイズのものがないと、躯体開口を大きくしたり小さくしたりする必要が出てきます。
そうなると、壁の内部外部ともに、窓周りの造作も大幅にやり替えることになってしまいます。

仕上がりのデザインも現在から変わってくる部分もあるので、出来るだけ近似値で対応したいです。

建物についている状態で寸法を図り、近い大きさの品番を北欧建材を扱う商社に頼みました。

現場に入り、コーキングを切って窓を取り外し、実際の開口を測り安心しました。

もともと付いていた窓と全く同じ寸法でした。



1.規格・基本構造が変わらない

見ると基本的な取り付け方や窓の構造も大きくは変わりません。

このように規格がずっと変わらない所。

これが輸入建材の凄いところの1つです。
このように建材を取り替えるときに大変都合が良い。

建物本体躯体部分に大きな変更加えることなく、リペアができます。

これはドアも同じです。輸入住宅で使われているスタンダードなドアのサイズ・デザインを表す呼称や品番は昔からほとんど変わりません。すごいのはメーカー関係なく共通の規格となっています。

なので、非常に合理的。カタログが薄い(笑)のもそういうところにあります。
20年も30年も前のデザインをずっと今でも使ってますので、リフォームの時でも基本デザインを替えずにあたかも最初からあったように作り込むことが出来るのです。

2.ケーシングの役割

もう一つ、輸入住宅にはよく見られるケーシングの存在です。

ケーシングと言うのは、窓と壁の接合部分にかぶせて使う額縁のこと。

これは装飾としての役目もあるのですが、もう一つこのような場合にケーシングを外すだけ壁や仕上げ材に大きなダメージを加えることなく、窓を交換できるメリットがあります。窓と外壁の間の緩衝材のような役割をしているのです。
飾りとしての役割が目立ちますが、その辺の施工面としても実に合理的なんです。


写真は窓を新しいものに取り替えた後に、具体との接合部分にコーキングを施し、乾いた後にその上から防水テープを貼ったところ。この辺は防水上大事なところになるので、必ず立ち会って見届けるないしは自分自身で手を入れることにしています。


この後に元の通りケーシングをつけるのですが、以前は木で作られていてかなりの傷みがありました。
今回は耐久性を考え硬質ウレタン製モールディングを加工して使います。
取り付けた後に塗装を施し、仕上げにもう一度コーキングをすれば完了です。

今回は北欧のレノホンダと言うトリプルガラス窓を頼みました。
その中でも今回は初めてアルミクラッドを取り寄せ。木製窓外部にアルミが巻かれて、木部劣化のリスクを回避しています。
しかし、このサイズで!驚くくらい重いです。ガラスが3枚で木部もごつい。
その重量を支える金物も超ガッチリです。この重い窓を軽々しく半回転させるわけですから、まあこうなりますね。
流石極寒地方で生まれた窓。

この窓を壊して入ろうとする泥棒がいたら、「止めておいた方がいいよ」と私は諭すことでしょう。


この後、外壁の塗装が進み、ケーシングにも外と同じような白い塗装を施します。
この後コーキングで仕上げれば完了です。


室内側は付いているケーシングも壊さずうまく外すことができたので、同じケーシングを再利用して以前と全く同じ形に復旧できました。(写真はまだ途中です)


以上、私が思う輸入建材のすごいところを2点ほどご紹介しました。
輸入住宅を見た目だけでなく、長い目で見た施工性やメンテナンス性で見るとまた違った魅力が見えて来ます。
参考にしてみて下さい。


瓦撤去、天窓( ベルックス)メンテナンス

足場を組んでからまず最初に行うのが屋根工事です。
今回は屋根の勾配が急なので、他の業種が同時に重ならないようにできるだけ一つ一つの工程が終わってから次に行くようにしています。屋根から何かが落下した場合に下で作業している場合、危険が生じるからです。
今週はまず既設瓦を降ろしました。


初日に現場に行くと総勢10人が瓦の撤去に集合していました。
晴天の続くこのタイミングに出来るだけ短期に行うための人海戦術です。


リフトを設置して外した瓦をテキパキと降ろして行きます。瓦搬出用のトラックが3台待機。
資材を置く棚を屋根勾配に合わせて作って来ていていたり、落下したものが落ちないように軒先に養生をしたりと、瓦屋さんは事前になかなかしっかりした準備をしていました。



煙突と屋根の間に付けるフラッシングという煙突部材も今回一緒に取り替えるため、専門の業者を呼んで外してもらいました。屋根を貫通している部分なので雨仕舞にはよくよく注意する必要があります。瓦業者と煙突業者を互いに合わせて収まりについてすり合わせをしました。


瓦は2日で撤去が完了し、ルーフィング張りが始まっています。
同時に土曜日の本日は天窓の専門メンテナンスを入れています。パッキン等消耗品の交換、ガラスのコーキング等、経年劣化してくる部分に関し製品をばらして丁寧におこないます。
ここに関しても、天窓の専門業者と瓦屋と互いの意見をすり合わせて、現場での収まりを決めました。
どうしてもマニュアル通りにはいかない部分も現場ではあるので、できるだけ多くの人と意見を交換するのが大切だと思っています。


この2連窓の水切りは元々窓の間が狭く連窓専用の水切りが使えない為、ちょっと苦労しましたが、現場で加工し最適と思える収まりになりました。


一物件で8箇所の天窓をメンテナンスしたのは初めてで、なかなかのボリュームでした。
しかし、晴天に恵まれる今の時期が本当にありがたいです。
何とかこの天気が大きく崩れることなく続いてもらいたいものです(^^)


築25年 北欧輸入住宅のリフォーム始めます

瀬戸市にて新しい現場が始まります。
築25年の、北欧輸入住宅です。


主な内容としては、大きいところで、屋根瓦の吹き替え。
輸入住宅では当時よく採用されていたモニエル(セメント)瓦が葺かれています。色落ちが激しく、数年前からご相談を受けていたのですが、このたび陶器軽量瓦に葺き替えることになりました。


それから外壁の塗り替え。現在は窯業系ラップサイディングです。
このように指に粉がついてくる(チョーキング) 状態は塗り替えのサインです。
今回は、先日終わった長久手のリフォームでも使った最長26年の耐用年数を持つ塗料で塗り替えします。


それから窓の全般的なメンテナンスリフォーム。
窓も北欧製の木製窓で、中も外も木がそのまま使われているタイプ。外側にアルミや樹脂の被覆あるタイプとは違い、窓外部木部にもメンテナンスが必要なものです。
木の部分の補修塗り替えと、併せてガラス部分のコーキングを打ち直す予定です。
窓に関しては、他のリフォームと比べてボリュームの多い工事となります。


現場にシートも掲げて準備完了です。
お客様との打ち合わせで決めましたが、今回は屋根の色、壁の色の組み合わせが現在とガラッと雰囲気が変わります。
瓦は遮熱性を考え、外壁は屋根の色とのバランスも考え・・・・、全体に北欧に建っているような爽やかなイメージになると思います。
工事の終了は12月末ごろを考えています。
最終シートを外したとき、仕上がりがどのようになるかも楽しみです。

「輸入住宅の設計・新築・リフォーム・メンテナンス」なら ノエルハウス/考作
北米系、北欧系、それぞれに使う建材も施工も異なります。どこに頼もう?迷ったらご相談下さい。


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