バルコニー排水管からの雨漏れ


今年、2件目の工事になります、バルコニー排水からの雨漏れを直しました。
現場調査の時は雨漏れと聞き、赤外線カメラを持ち込み、撮影を試みました。
写真だけでは雨漏れが分かりずらいですが、クロスに滲みが出来ています。



このリビング天井の上にルーフインバルコニーが有ります。
持ち出しと違い、部屋の上にバルコニーを作ってあり、安全な防水処理が不可欠な場所です。
赤外線カメラで撮ると、温度が低い場所(水により湿っている)は青っぽく表示されます。
ちょうど上部にバルコニーがある部分がより青いのが良く分かります。


屋根の中にあるバルコニー。
屋根の外観を崩さずにデザインされた物と思われます。
大屋根のからの雨水も拾うので、バルコニーの防水が大事なのが分かりますね。完全にバケツのように水を一旦受けるわけですから。



準備をして天井の一部を解体。
中の状態を確認すると、天井板は長年少しづつ吸った水でぶよぶよに。断熱材もぐっしょりと濡れていました


問題のバルコニーの排水管を見ると、梁を丸く欠き込み横引きしてありました。
バルコニーの排水口と塩ビ配管を繋ぐ上では少し困難な状況で施工したと思われます。
この接続部分に問題があると断定し、排水ルートを変えることにしました。


バルコニー上でも排水を悪くする状況を数点見つけました。
?コンクリートの化粧板があることで、排水の掃除が困難、その為に排水溝に泥が溜まり、排水不良を起こしている。
?排水溝の水勾配が緩く、排水に時間がかかる。
?横引きの形状的に、下へ抜く排水と比べ、排水能力が低い。
?屋根の雨水が大雨の際は集中し、排水能力を超える可能性がある。



以上を改善するため、
・敷板は撤去
・排水を下抜きに変える
・防水をやり直す
施工をしました。



排水ルートは変更。
曲がりが少なくなり、負荷が減り、排水能力が改善しました。
下からじょぼじょぼと排水の音が聞こえるようになりました。
本来、排水が良ければ聞こえる音ですが、いままでは聞こえなかったようです。


排水は外壁から外部に突出し、縦樋で地面へ下し、排水管へ接続するのですが、既設樋を使わず、新たに塩ビ配管で室内と一体となって排水する形式に変えました。
見た目は少し無骨ですが、今回に関しては安全にバルコニーの排水が完結することをお客様と話し、最優先させて頂きました。


施工後、排水試験をし、雨漏れのない事を確認の上、断熱材の入れ替え、天井のクロス補修をし、完了です。




築15〜築20年近くになると、色々とメンテナンスの必要な部分が出て来ます。
特に雨漏れは、気づいた時には影響が広がっていることも多々あります。
施主様による日常的な目配り、掃除に併せ、定期的に専門家によるメンテ・調査をお勧めします。

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