ダイニングベンチを造作で作る

大工さんが現場に入る時、実はこの期間が私は最も忙しくなります。
お客様との設計打ち合わせもまだ完了していない中、現場は急ピッチで形になって来るので、材料発注、現場での納まり検討、次の業者さんとの打ち合わせなどが重なり、なかなか緊張感のある日々が続きます。
と言うわけで、こうやって現場のブログが書けるのもひと通り大工さんの仕事が終わった今だからこそ。
少しこれからは過去の様子も振り返りながら、ご紹介していきますね。



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自然界からのいたずら

ちょっとアップ画像で、何を撮ってるのか分からないかも知れません。
昨年末、お引渡しから1年になるお客様のお家に点検にお伺いしました。その際に、玄関の軒下に点々と見慣れない汚れ(跡?)が付いていることに気が付きました。
写真は軒下に飾りで付けるウレタン製モールディングです。その中でもここで使っているのはDentil(デンティル)と言うデザイン。
因みにデンティルとは

「《建築》歯飾り◆コーニス(cornice)の下の、小さな直方体が歯のように横に連なった飾り。」

歯医者さんをデンタルクリニックなどと言いますが、歯のような、正にその通りの形状です。

デンティルの特徴である立方体のちょうど角の所に規則正しく点々と・・・跡が付いていました。
(ちなみに写真はすでにそれを除去し始めた写真なので、薄いですが、もっとくっきりと跡がありました。)

お引き渡し1年くらいで、このように汚れることは考えにくいし、この部分だけ一部に集中していたので、これは何かの虫の仕業だろうと見た時に察しがつきました。白いモールに対し目立つのでこれは何とかして取れないか、と行くまで考えていました。

ただ、問題は何を使ってこれを除去するかです。

高圧洗浄機やシール剥がし、他除去剤を数種類用意して現場で向かいました。

高圧の前に、除去剤を使ってみたのですが、多少は落ちるのですが、黄色くなった染みがなかなか取れません。
ン~、これは結構しつこいと思いました。
ただ、難しいのは、下地の塗装を傷めずに除去すること。


そこで、お客様が試しにどう?と言って持って来られたのが、あるキッチンで使う洗浄液。
これを試しに吹き付けてみたら、なんと付着していたものが溶け始めたのです。
黄色い液状になって、雫を作り始めました。
それを拭き取ると・・・・
ここまで綺麗に!!
下地も傷んでいません。これはすごい!

おそらく、付着していたのは「蜂」が巣を作ろうとチャレンジた痕跡なのでは?
という事で話は落ち着きました。(実際に目撃していないので定かではないですが)
デンティルの角の所がよほど気に入ったのか、何度もチャレンジしたのでしょう。


しかし、考えてみたら彼らの出す分泌液。
あの結構な大きさになる家(巣)をたったの1点で天井に留めるいわゆる接着剤な訳だから、私には詳しく成分などは分かりませんが、相当しっかりしたものを出しているのでしょう。
地面の上にドカンと座っている人間の家に比べ、ぶら下がって家を作る為には、家の軽量化と天井に留める部分の強度たるや相当なものが要求されるでしょう。
(蜂はそんなこと、考えてないでしょうが・・・)

今回は、この魔法の液で取れましたが、彼らもなかなか。
ひょっとして我々建築屋の使う接着剤とは全く異なる、なかなかすごい天然の接着剤を使っているかも知れませんね~(*^^*)


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