DIYの品々からの決別


15年分の断捨離実施中。
事務所を中心に身の回りの整理片付けをやり続けている。
今まで、何度となく捨てようと思いつつ使い続けているのが、創業当初、自分で作ったDIYの品々。

狭いオフィスを何とか工夫して使いやすくなるよう作ったひとつが、この写真のキャスター付きのプリンター台だった。
確か、仕事で余った輸入キャビネットのエンドパネルを流用し、オリジナルサイズで作った。
箱の天板にはプリンターを、その下に紙を置いた。
一番下にはA4のファイルを仕舞った。それぞれ使うものを想定して作った。
キャスターにして使わない時は机の下や押入れに入れたりした。


輸入キャビネットに付属しているツマミを付けて、引っ張り出しやすいように。
何の変哲もないただの箱だが、それなりの思い入れのある品だった。
こういうものがまだ色々と家にある。今回の断捨離に際し、いよいよこれと決別する日が来た。
「何が今、本当に必要なものなのか?」改めて自分に問いかけている。
整理されてくるに連れ、やはり要らないということになった。


実は今日、打ち合わせコーナーにあった(地元の安売り家具屋で買った)市販の椅子も処分した。
電気ノコギリを入れ、バラバラにした。ただ、これはサクッとやれた。無論、この椅子にしても、幾人ものお客様が腰かけ、打ち合わせ他活用し、ずいぶんと役に立ったもので、「世話になりました」という感謝の念はあった。ただ、自分が一から作ったものは、それ以上の気持ちが芽生えてしまう。


思い出を噛みしめつつも、ビスを外し始めた。
ビスを外す度に、創業当時の環境や心持ちがビデオの逆廻しの様にリアルに蘇ってきた。
創業から15年経って勿論得た物もあり、その方が多いが、でも忘れかけていたものもあると思った。
その時のように何も無くても、あるものを使って何とか自分から使い易い環境を作ろうとした気持ち。そういう思いがこの時はあったし、時間もあった。
それしか方法が無かったと言えばそれまでだが、結果的に納得のいく物を作って来た。
「無ければ、自分で作る」・・・これは今でも変わらない。


充電ドライバーでグリグリグリグリ・・・・。接着剤を使わずに全てビスで留めていたので、その気になってバラし始めればアッという間のこと。
全てをただの板になるまでバラしたところで、心は吹っ切れた。気持ちが良い。
新しい時代がこれから始まる、とちょっと大げさですが(笑)感じた。
15年もすれば、古びてくることもある。変わっていかねば効率の下がることも多い。
大切なことは忘れずに、でも物には拘らず、思い切って決別する。卒業する。

「いまある環境の中で、工夫して自分で作る」この精神さえ次に受け継げば、もう板となったこの物体は不要だ。思い切って決別し、自分に中にも空間にも空き部屋を作ることで次に住人が入って来る余裕が出来る。

今年に入って水面下で色々とプロジェクトも始動していて、今後ノエルハウスでまたどんな仕事が出来るか、楽しみだ。新しい春の風が気持ちよくサ~っと吹くように、この冬、事務所環境も自分の心も整えていこうと思う。


皆様に感謝!来年もよろしくお願いします!


2018年が今日で終わろうとしています。
静かな事務所で今年最後のブログを書いています。まだ、やる事は沢山ありますが、欲張らないことにします(笑)。12月中旬に仕事が一区切りして、例年よりはまだ余裕があると思いましたが、いえいえ、何だかだ言って溜まってたことが沢山あって、それをひとつひとつ片付けているうちに、大晦日になってしまいました。

昨日、スマホに入っている写真をさ~と何気なく見ながら、1年を振り返っていました。
「あっという間の1年」と言いますが、よくよく見返せば、色々と仕事をしたなぁと感慨深いものがあります。
終わって見れば短い1年のようで、でもしっかり長かった気もします。1年前の出来事がすごく前の事のようにも感じます。それだけ、濃い1年だったと言えるのかも....。
とにもかくにも、こうやって何とか無事健康で1年を終えることが出来る。1年を振り返り、また来年16期めに思いを巡らせることが出来る、この環境が自分に与えられていることだけで有難いと思わなければいけません。



今年は岐阜の新築基礎工事から始まり、5月に1件、8月に1件の新築を、12月にはほぼ新築といえる大規模改築した家をお引渡しさせて頂きました。
2件は出会いから1年半を経て完成した注文住宅です。こうやって見ると、この2件、デザインの志向的には対照的な感じがしますが、いずれもノエルハウスから生まれたものです。ただ、そこには共通した「らしさ」があると信じています。

今でも忘れないことがあります。

ある最も信頼していて才能ある建築の仲間に以前私の完成した家を案内したことがある。
その時に「竹本さんがやった現場って竹本さんらしさが出てるよね~」と言われた事があり、(彼は他界しているのだけれど)その言葉が今でも自分の建築とは何か?と考えるときに思い出されます。
その時はたぶんいい意味で言ってくれたと記憶してますが、それって何なんだろう?と思って。
作るプロセスは見ていない彼だが、完成された物を見て何か感じるものがあったのか?
ただ、思うのはそれは流行やスタイルの違い、トラディショナルかモダンか?などの違いを言ったわけでは無いのではないかと。


作る人の作る時の思い、プロセスが良かれ悪かれ出来たものに現れてくるのだと思います。
私の作る家の「らしさ」が具体的にどこにあるのか、は分かりません。
それ以降そのような事をはっきり言われる人は居ませんが、そういうものが自然に出せてこそ本物だし、私に依頼してくださる方にもそれが出せなければ意味がない。他に頼んでも同じものになるのであれば、意味がない。
話が飛んでしまいますが、私が趣味でやっている音楽でも先日エンジニアさんから聞いたお話でプロのシンガーとして一番大切なのはワンフレーズ聞いたら、「ああ、〇〇ね!」とすぐに誰だか分かることだそうです。


基本的なことが出来ているのが大前提ですが、そこにさらに「らしさ」が自然と滲み出てくるような建築を過程を大事にして作っていきたいです。
デザインやライフスタイルなどのカタチはお客様が求めるもの。そこに対しては一緒になって、私たちも出来るだけ引き出しを増やして提案をさせて頂きたい。そこはもっと勉強して、懐を大きくしていく必要があると思っています。料理で言ったらレシピの数を増やすみたいに・・・。
でもそれと同時に忘れてなならないのは、自分たちのアイデンティティーや「なぜ、この仕事をしているのか」とか「何を自分たちが与えられるのか」「何が一番大切なのか」という事。

でないと、何でも屋みたいになってしまう。そこそこ色々入っている幕の内弁当。
経験を積んでくると幕の内弁当になりがちです。もちろん美味しい幕の内弁当を作ることがまず第一だと思います。
でもそれだけに甘んじていると「どっかで見たアレ」になってしまう。
目先のものにとらわれて、足を踏み外すことだってあります。

「変わらない為に変わり続ける」と言う言葉があります。
変化の大きい世の中にあって「変わらないもの」を胸の奥で意識している、そのことがとても大事だと、この1~2年を通じて感じます。


仕事の大きい、小さい。スタイルが何風か。新築かリフォームか。
どんな仕事をしても、自分がやることの「らしさ」が出せるように、それがお客様にとっても「やってよかった」という満足感につながるように。困ったときにこそお役に立てる存在であるように。
状況に関係なく、ぶれずに変わらず対応できるチカラ、そういう強さを付けて行きたい。
今年、色々な経験をして来て、今感じることとと決意を込めて、1年を締めくくらせて頂きます。

1年、ありがとうございました!来年もよろしくお願いいたします。


年末年始の休業日

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

年末年始の休業日は12/30〜1/4です。

休業中でもメールでのお問い合わせは出来ますので、ご利用下さい。

少し時間はかかりますが、ご返信させて頂きます。


頼もしい仲間たち〜チーム ノエルハウス

今年はいつもより少し早く忘年会をしました。
昨年、会場選びに苦心したので、今年は10月には段取りし以前も使ったお気に入りの場所にて。
総勢20人近く集まり、一年を振り返り楽しく飲み交わしました。

ある業者さんは「考作さんのところで仕事する職人さんは皆いい人だから・・・」と言ってくれる、この職人さんがまたいい人なのです。

ある人は、「こうやって工務店さんの会に出席することは実は他ではないんです。」と言ってくれる。

そんな風に嬉しい声もたくさん聞けました。

建築の完成度はチーム力で決まると思います。

それは職人さんひとりひとりの力が最大限に生かせることから始まると思います。

技能が優れていることも大事ですが、いくらひとりの技能が優れていても、それを引き出せなければ何にもならない。

この家で、この場所で、この人たちと共同で、そこで形になることが大事なんだと思います。工場や工房で作ったものを持ち寄るだけではなく、現場で実際に作っていく仕事ですから、建築は。
やりたいときに自由にやれないときもある、譲らないと出来ないこともある、想像以上に現場は制約があるのです。

だから、出来るだけ仕事がしやすい環境、工程を組む必要があるし、お互いが分かった仲で仕事を気持ちよく進める必要がある。一人一人の技能は実は大きく差はなくて、環境、場づくりによって出てくる差が大きいのだと思います。

私が今年一番思ったのは、職人のプロの経験から見た少しのアドバイスや工夫の積み重ねがちょっと他とは違ういい家づくりの基になると感じたことです。

メンテナンスの為にはこうした方がいいとか、この方が施工が合理的だとか、早めにこう対処した方がいいとか、様々な知恵を出してもらいました。

チームノエルハウスのメンバーは皆そのように私に気づかないこと、知らないことを教えてくれます。
それに本当に助けられて、たとえ経験の薄い難しい物件でもここまで大きな問題無くやって来れました。
本当に感謝しています。

「相変わらず楽しい忘年会でした!」とあとからメールをもらいました。
毎年、仕事の量と幅が増えて来てますが、このメンバーとならまだまだ色々な事が出来ると思うと、私もワクワクします!

そして来年に向け、少し方向を変えてやってみたいこともあります。

沢山の仕事を頂ける環境も有難いですが、もう一歩、自分からうねりを生むような動きを来年はしてみたいと思います。
仕事仕事と言う前に、「人と人を技で結ぶ」そこから新しい「楽しさ」や「発見」が生まれる・・・自分自身もそこでワクワクできるような瞬間を作ってみたいです。

まだまだ乗り越える課題はたくさんありますが、目の前にあることだけでなく、もっと先を見ることが私の立場だと思います。

まだ少し2016年はありますが、気を抜かずに頑張ります。

これからもチームノエルハウスをよろしくお願いいたします!


中古枕木、嫁ぎ先が決まりました。


以前、募集していた枕木の引受け先が決まりました。
公開して実は即日連絡を頂き、2週間後には引き取りにきて頂きました。
輸入住宅にお住まいのお客様が外構で使いたいとのこと。
またこうやって、誰かの家のお役に立てるというのは嬉しいもんです。
うちで10年アプローチ階段として働いてくれた枕木に「ありがとう、次でもがんばって!」と心の中で声をかけました。




トラックに積まれた枕木に別れを告げたあと、私は、今度新しく作るデッキに引くウリン材をブルーシートから引っ張り出し、「洗う」のでした。
このウリン、なんと家を作ってすぐに購入し、ずっとデッキに着手出来ず、8年以上、外に置いてあったもの。
正直、半分くらい使えなくなっているだろう、と覚悟していたのだが・・・。



全く問題なく使えました!!
驚異の耐久性。驚きの結果は次回に。。。


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