これでいいじゃん・・・っていう発想


突然、危険な発言のようですが、私の最近のキーワード(というか)テーマです。
建築に携わる者にとって細部は重要です。細かいところまで気を付けて綺麗に仕上げる必要がある。でも変な常識に囚われすぎて、結果、同じ空間を作るのに高価なものになってしまうこともあります。
この部屋のロフトに行く階段はその点、とってもリーズナブルに出来てます。
材料はこの建物の構造に使われているツーバイフォー材。
無塗装で、もちろん材料の認定用の印字も残ってますし、構造材なので、表面も荒っぽいです。

でも、これで十分、これでいいじゃん、という落としどころ・・・。これ、多分住宅メーカーでは危険で手が出せない領域だと思います。でも、施主さんは有るか無いか?出来るか出来ないか?がとても大事で、その材料、仕上がりの精度を全ての部位に求めているのでは無い、ということを我々建築の専門の人間こそ、一度施主の立場に立って考えてみるべきだと思う。



手摺の腰部分の板は2階のフローリングの余りのパイン・・・。厳密には構造材はSPFなので、パインとは樹種が違う。木目が違うと講釈を言う人が居るかも知れません。
ロフトの床などは、松田さんの取り計らいで、今までの現場で少しづつ余って他で使えないフローリングの色違いが3種類貼ってあります。でもこれが、かえって面白い。
そう「違っていい〜んです!」by川平

色は違うけど、”無垢材”。色は揃ってるけど”合板フローリング”。
あなたならどちらを選びますか?
もちろん部屋によりけりとも思いますが。

本質を見極める力と感性に裏付けされた柔軟性を身につけたい。


どうやったら、身につくのかな?
色々な人と会って話を聞き、作っては感想を聞き、人それぞれの色々な価値観を知るしかないんだろうなぁ。
そこには自分のエゴはない。こうあるべきだ、みたいなのが邪魔をする。
いかに必要十分に人の充足感を満たすか?だろうね。
実は簡単そうで難しそう・・・。(´;ω;`)



ぬくもりセットのある新築 完成


去年10月から工事を進めてきた四日市のユーロJS新築A邸が完成しました。今回は完成から入居まで4〜5日の余裕が出来たので、ずいぶん最後気持ちが楽に出来ました。
いつもこのように出来ないといけないと思う。

和室に掘りごたつがあったり、石を使う部分が多かったり、なかなか気を使う部分も多かったが、気がつくと、最近のユーロの新築の中でも特に自分にとってお気に入りのものとなった。


何と言っても、今回自分でも頑張ったと思う部分で目玉は和室を取り込んだ居間の通称「ぬくもりセット」
ユーロの松田さんと私が完成した現場を見て勝手に命名しました(笑)
3シーンに変わる写真です。


リビングから25cm上がった和室の畳の下に引き出しが・・・。


和室の3本引き戸を出せば、独立した和室に・・・。建具はベイツガの無垢にオスモカラー。



ここはさすがにスケッチでは作れないので、私がしっかりと(笑)図面を書かせて頂きました。
やっぱり、建築って考えたことだけのことは、後からちゃんと返って来ますね。いい感じになったと正直思いました。
現場で松田さんと・・・、「こういうのいいよね!」って。
居間の腰板も最近あまりやらないけど、落ち着くねって・・・。


建具が3本引きにもなると敷居の幅が自然と広くならざるを得ない。これが、何かゴツイのでは?と図面段階では心配だったが、逆にここに腰掛けるにはちょうどいい感じ。


あと、図面で心配だったのが、25cmと決して高くない和室の上がり部分の下に引き出しを作って、いったいどれだけの高さの引き出しが出来るのかな?ということ。
図面では細かく製作寸方法の指定は無かったが樋口さんがうまく作ってくれた!ここは樋口さん、ファインプレー!
私はそう思います。



「ぬくもりセット」の主役はこの堀りコタツ。
メーカーのカタログをうまく盗んで(#^.^#)オリジナルで作りました。框もスノコも、箱も、断熱材設置も現場施工。
ここにお客さん持ち込みの座卓を据えれば、堀コタツの完成です。
これから考えている方。どんなサイズの座卓でも持ち込み下さい!
これで、オリジナル堀コタツ習得しました。自信持って作りますよ。
座ってみたら、何だか焼き鳥が食べたくなりました(笑)
南の大きな窓の向こうに見えるは桜並木!
ここから座って眺める春は最高でしょうねぇ〜



完成直前


前回、工事中(上棟後)をアップしたかと思ったら、工事はもう完成の時期を迎えてしまいました。
今回は色々事情があり、基礎からの工期が4ヶ月ほどしかなかったので、かなり工事管理的には気の抜けない厳しい現場でした。
明後日が引き渡しですが、今日は朝から様々な業者が出入りして最終の仕上げをしていきました。
水道、電気、ガス、浴室設備、大工、建具、塗装、外構、アイアン・・・、思い出しただけでも9業種。
私の仕事はちょっと大げさですがオーケストラの指揮者みたいなもので、入る・出るのタイミングを見計らって現場を段取りしてるのですが、工期が短いといくつかの異業種を同時進行する必要があり、難易度が上がります。
クロスを間違えたり、と少し不協和音が聞こえた部分もありましたが、ともあれオーダーメイドの家をこの工期で良くここまでこぎつけたなぁ、と思います。取り急ぎランダムに写真アップします。



LDKの一部にアンティークブリックタイル張り
パーケットフロアは床暖房仕様




メープルのオーダーキッチン
ミーレの食洗機の蓋の面材にもメープルを



Rの開口枠は漆喰で仕上げました。
階段室が明るいのは上部が吹き抜け、天窓があるから。
最初、図面見て大胆な発想だなと思いましたが、アリです。



スイス漆喰=カルクウォールの塗り壁とステンドガラス
このサイズで木枠(ガラス押え)を回すとうるさいので、漆喰巻き込みにしました。



鉄・ガラス・漆喰の相性




フローリング無垢パインにオスモカラー





ツーバイフォー構造材と余ったフローリングで作ったロフト階段



開口奥の明るいところが階段室=サービスコート
ベルックス社天窓最大サイズ2個分が授かる陽光
今日のような気まぐれな天気だと移ろう雲や陽光の変化がここから感じられた









外壁もスイス漆喰=カルクウォール
お友達を招く時、「真っ白の家」と言えばすぐ分ってもらえる、そんな感じです。木製窓との相性もいいです。



北欧木製トリプルガラス窓 レノホンダっていい窓だと思います。特に今回この家で実感しました。
やはり高いだけあります。
このガッチリとした造り。
色々な窓を現場で取り扱った物にはこの違いは良く分ります。特にこの1200×1200の大開口窓はいい!
開けない時は網戸がロール式で仕舞っておけるので、ピクチャー窓のように桟が無い大きく気持ち良いガラス面を設けられる。





遅ればせながら・・・

ほんの少しですが、仕事の合間の時間が出来るようになった気がします。
遅ればせながらですが、大府の新築工事の窓取付頃の写真をUPします。
木製の北欧トリプルガラス窓です。大変優れた(機能・デザイン)ですけど、施工上は色々気を付けねばなりません。
まあ、気を付けると言ったら何を取り付けても同じ心構えが必要でしょうが。



窓を躯体に取り付けたら、まずは躯体との間をコーキングします。乾いたら防水テープ(両面)を四辺に貼り、防水紙を貼ります。



この頃、屋根工事も同時進行しています。
お馴染み定番のOWEN CORNINGのグラスファイバーアスファルトシングルです。(我が家でも施工)軽くて耐久性が高いのが特徴です。棟換気を設け屋根裏の熱気を少しでも逃がします。屋根には今まで私が施工した中で最大級の天窓(VELUX)が2つ付いています。



内装仕上げ直前

大府の家が内装仕上げ前です。
開口部周りは漆喰とレンガ風タイルで仕上げます。今回は仕上げが数種類あり、現場の工程管理が大変ですが、面白い住宅になりそうです!


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