やっぱり当事者立ち合い・確認が大事


解体が終わった後、別日に前から予定しておいた水道屋さんとユニットバス組立業者さんを呼んで、3者打ち合わせをします。お互いに抜けのないように分担をしっかりと確認します。
基礎の高さをどこまでの範囲で打つか?配管は何を生かして何を切断するか?洗面の床高さは?浴室ドアの大きさや位置は?それによって洗面の壁をどこまで解体したら良いか?窓の位置はユニットバスの規定内の位置に付けられるか?新たに換気扇の穴はどこに開けるか?
・・・・など色々なことを確認し、決めていきます。


ちょっと大胆に見えるかも知れませんが、既設のタイルに直接書いて示すのが間違えないので、バシバシここは書いていきます。


打ち合わせが終わったら、水道屋さんが配管をしていきます。
明日は大工さんが入って、窓開口、壁を作って行きます。


浴室解体からスタート


10月22日初日は浴室の解体から。
今回、問題になっている出窓の撤去がまず大掛かりな仕事です。
出窓には窓自体が出窓となっている場合と躯体を外へ跳ねだして作り、そこへ窓を付ける場合がありますが、今回は後者の方です。
躯体部分を撤去すると、やはり想像した通り、中の木が傷んでいました。浴室で普段使っている水がタイルの隙間などから出窓躯体内に入って、常に湿った状態になっていたと思われます。


水を含んで乾燥しない状態が長く続くとこのように黒ずんでいて、触るとポロポロ崩れてくるほどになっています。角の柱は全く強度が無く、金物だけが残っている感じです。
悪い部分は出来るだけ落として、補修がしやすいようにおきます。


浴槽を撤去し、土間も斫り落とします。既設配管を使って新たに配管し直すので、気を付けて進めます。
写真にデッキ型水栓が付いていますが、よく前はこういった水栓を付けました。
恰好も良く好まれ使いましたが、配管部分がコンクリートに埋め込まれた状態なので、メンテナンス面からは少し不利です。
在来式ユニットバスは現場により中の配管が様々なので、その場での判断が求められます。
何が現れるか分からないので、一旦工事が始まると暫く見届けるまで目が離せません。


1日目が終わった状態。
2日かかると想定していましたが、残業して1日でここまで出来ました。
今回はユニットバスの規格サイズが偶然にも壁タイルの内側に無駄なく収まる為、壁タイルの斫りはしていません。
躯体をどう直すか、配管をどうするか、ユニットバスの基礎をどこまで打つか、など次の工程の事を考えます

構造が露わになるこの時点でやっと窓のサイズを決められます。特注で1週間くらいかかる為、急いで開口サイズを決め、業者へ注文します。
今より壁を増やして腐っていた構造部分を補います。
窓は小さくなりますので、具体的なサイズに関し、お客様に確認して頂きました。


築10年リフォームの後の10年に思う・・

長久手市にて輸入住宅のリフォームが始まりました。
ちょうど10年前に外装塗り替えやテラス屋根の施工をさせて頂きました。
早いもので、あれから10年が経ちました。うちも10年やって来たんだ、という実感が沸きます。
また、10年経て、2回目のリフォーム工事の声をかけて頂くのを大変うれしく思います。


当時の工事の事をこうやって見ると思い出します。
バルコニーのアイアン→オリジナルで作成し、既設躯体に対する固定に苦心しました。
木製テラス&ポリカーボネート屋根→完全な特注で、建物の形状に合わせ木で骨組みを作り、ポリカーボネートを骨組みに合わせてカットして、押さえ金物には既成のカーポート部材を転用したんだったな。
しかも、樋を外に見せたくなくて、内樋にしました。そのために鈑金屋を呼び、箱樋を作ってもらいました。


色々と試行錯誤して考えて当時作ってたなぁ、と当時の自分を思い返します。当時の図面を見返したりすると、実はひょっとして当時の方が良く考えていたかも?と思ったりもします。
デザインと機能の両立! 自分でこの仕事をやろう!と独立した時の気持ち。
考作→「考えて作る」に恥じない気持ち。色々と自分にしか出来ないことを探して、チャレンジする気持ちが表れている。パースとか手書きプランとか、書いてたな~!
今思うと、何よりこのことを作業ではなく、仕事として楽しんでいた自分をこのイラストが思い出させてくれて、自分のやったことなのに、ハッとしています。


今年の台風の後、「あれからどうですか?テラスは」と施主さんに聞くと「うん、大丈夫だよ。問題ない」と答えが帰って来て、安心しました。
既製品の変形ではなく、完全に特注なので、どこかで実験したわけでなく、確かに心配はいつもします。
でもこうやって、施主さんに作った物の10年20年後の経過・感想を聞けるのは本当に大事だし、自分の一番の勉強や励みになりますね。


当時、木に塗装で、10年経過したら大丈夫かな?と思っていましたが、触ってみて、大きな問題はありませんでした。(また、詳しく調べてら出てくるかも知れませんが)
おそらく、このテラスの骨組みは屋根があって雨に直接触れることが少ないので、これだけ劣化してないのだと思います。皆さん、一様に木を外部で使って耐久性はどう?心配されますが、環境次第で全く変わります。10年経て本当に如実に結果が出ました。

長いお付き合いの中でこそ気づくことがたくさんあります。
家のこと、人の気持ちの移り変わり、、、「今大事なことは何?」「今、好きなことは何?」

あるお客様に10年前に会ったときは、ガーデニングが大好きで、行き届いていたけど、最近行くと少し手付かずのご様子。なかなか時間が取れず、今は家よりも外へ出てジムに行ったり、という時間の使い方になったとのこと。
人も家も、変わっていくもの。それを新品のまま維持するのは難しいし、そもそもそこに住む人が一番変わっていくもの。好きな事が変われば、今まで必要だったものがそう感じなくなり、「こうしたい」という別の必要が生じるのは当然。
家のハードとしての役割は基本的に大事ですが、住む人の生活に寄り添った、やり過ぎない、「ちょうどいい住宅」を作りたいものです。


ところで、今回の発端は浴槽の出窓部分の下部が、湿って傷んでいたことで、浴室や外装のリフォームの話になりました。
本日は、浴室の廻りに足場を組み、来週からの解体に備えます。


システムバスは事前にショールームで決めてあります。


浴室の出窓下部の軒天が剥がれている。(浴室内からの湿気によるもの)

今後の生活の事を考え、今回の浴室は手摺や温かさ、段差解消に考慮したバリアフリー浴室にリフォームします。


駐車場の枕木がだいぶ傷んでいます。
来週からこの枕木も全て撤去し、土間コンクリートを打設への準備をします。


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