これでいいじゃん・・・っていう発想


突然、危険な発言のようですが、私の最近のキーワード(というか)テーマです。
建築に携わる者にとって細部は重要です。細かいところまで気を付けて綺麗に仕上げる必要がある。でも変な常識に囚われすぎて、結果、同じ空間を作るのに高価なものになってしまうこともあります。
この部屋のロフトに行く階段はその点、とってもリーズナブルに出来てます。
材料はこの建物の構造に使われているツーバイフォー材。
無塗装で、もちろん材料の認定用の印字も残ってますし、構造材なので、表面も荒っぽいです。

でも、これで十分、これでいいじゃん、という落としどころ・・・。これ、多分住宅メーカーでは危険で手が出せない領域だと思います。でも、施主さんは有るか無いか?出来るか出来ないか?がとても大事で、その材料、仕上がりの精度を全ての部位に求めているのでは無い、ということを我々建築の専門の人間こそ、一度施主の立場に立って考えてみるべきだと思う。



手摺の腰部分の板は2階のフローリングの余りのパイン・・・。厳密には構造材はSPFなので、パインとは樹種が違う。木目が違うと講釈を言う人が居るかも知れません。
ロフトの床などは、松田さんの取り計らいで、今までの現場で少しづつ余って他で使えないフローリングの色違いが3種類貼ってあります。でもこれが、かえって面白い。
そう「違っていい〜んです!」by川平

色は違うけど、”無垢材”。色は揃ってるけど”合板フローリング”。
あなたならどちらを選びますか?
もちろん部屋によりけりとも思いますが。

本質を見極める力と感性に裏付けされた柔軟性を身につけたい。


どうやったら、身につくのかな?
色々な人と会って話を聞き、作っては感想を聞き、人それぞれの色々な価値観を知るしかないんだろうなぁ。
そこには自分のエゴはない。こうあるべきだ、みたいなのが邪魔をする。
いかに必要十分に人の充足感を満たすか?だろうね。
実は簡単そうで難しそう・・・。(´;ω;`)



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